用語解説と登場人物の紹介
<U>(ユー)
この世の知性を司る5人の賢者「Voices」によって創造された究極の仮想世界。
全世界で登録アカウント50億人を突破してなお拡大を続ける史上最大のインターネット空間。
ボディシェアリング機能を有しており、<U>の世界ではその人の隠された能力を無理やり引っ張り出すことができる。
<As>(アズ)
“もうひとりの自分”と呼ばれる、<U>における自分の分身。スキャンした生体情報から自動生成が行われ、デバイスが常時本人の生体情報と連動している。Asを2つ所持することは不可能。
https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/character/
「U」とは、インターネット上の空間のことを指します。
しかし、ただのネット空間ではなくて、現実とネットに差がないような現実に近い空間。
いわゆる”仮想現実(仮想空間)”です。
最近のゲームを例にあげると、「どうぶつの森」、「ポケモンGO」のような世界です。
それに対して、「As」とは、そのインターネット上で自分自身を表すキャラクターのことです。いわゆる、”アバター”。
”プロフィール”というようなものですね。
現在では、写真などの画像やイラストで”アバター”を作ります。
AIが、身体情報を読み込んでその情報を基に”アバター”を作るので、その人の生態情報(特徴)が反映されます。
映画では、主人公(すず)の「そばかす」がAs(アバター)に反映されています。
すず(内藤鈴)
自然豊かな高知の田舎で生まれ育った内気で自分に自信のない女子高校生。歌うことが大好きだったが、幼い頃、母親を事故で亡くしてから人前では歌を歌えなくなる。
ベル(ベルはすずのAs)
突然、仮想世界<U>に出現した美貌の歌姫。誰もが「自分のために歌ってくれている」と感じる不思議な歌声で、瞬く間に圧倒的な人気を得る。
竜
<U>の世界で大勢から忌み嫌われている、竜の姿をした凶暴な謎の存在。国籍年齢性別その他一切の情報が明かされていない。
ヒロちゃん
すずの親友で良き理解者。ネットを使いこなす毒舌メガネ女子。すずを<U>の世界へと誘い、ベルとしてプロデュースする。すず=ベルの正体を唯一知るキーパーソン。https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/character/
すずの父
すずと2人、高知の田舎町で暮らしている。母親を失ったすずとうまくコミュニケーションが取れず、どこか距離感がある。
映画のストーリー
50億人がすれ違う美しくも残酷な仮想世界。ベルの歌声は世界を変える。
自然豊かな高知の田舎に住む17歳の女子高校生・内藤鈴(すず)は、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮ら
し。
母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>に参加することに。<U>では、「As(アズ)」と呼ばれる自分の分身を作り、まったく別の人生を生きることができる。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けたAsとしては自然と歌うことができた。ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。
数億のAsが集うベルの大規模コンサートの日。突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」と呼ばれる謎の存在だった。乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に。そんな竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。一方、竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく。
やがて世界中で巻き起こる、竜の正体探し。
<U>の秩序を乱すものとして、正義を名乗るAsたちは竜を執拗に追いかけ始める。<U>と現実世界の双方で誹謗中傷があふれ、竜を二つの世界から排除しようという動きが加速する中、ベルは竜を探し出しその心を救いたいと願うが。
現実世界の片隅に生きるすずの声は、たった一人の「誰か」に届くのか。
https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/story/
二つの世界がひとつになる時、奇跡が生まれる。
映画に込められた”スピリチュアルメッセージ”とは何か?
映画が始まった瞬間、”メタバースの世界”が描かれていましたね。
「映像が綺麗で美しい世界観だなぁ」と感じたのが素直な感想です。とにかく、歌声と映像美に圧倒されました!
どのような「メッセージ」を受け取りましたか?
以下、和多志が受け取ったメッセージです。
【メッセージ①】 「薔薇」、「クジラ」、「そばかす」の意味は何なのか?
「ベルの頭に薔薇」、「竜の住む城の中にもたくさんの薔薇」、「現実世界の東京で暮らす恵(けい)と弟の部屋にも薔薇」と何度も「薔薇」が描かれているシーンがありました。
「薔薇」は、昔から「愛」や「愛情」を表現する花とされています。
ベルも竜も”現実世界”でお互いに母親を亡くし、心に傷を負っている二人。
まさにお互いが鏡のような存在で、同じ魂を持つ片割れ同士のツインレイの存在ともいえます。
「U」(仮想世界)で出会って、実際に”現実世界”でも再会したのは考え深いです。
そうやって、我々にも生まれる前に約束をして”出逢うべくして出逢うような相手”というのは必ずいます。
細田守監督の映画では、けっこう「クジラ」が使われています。
今回の映画では、「ベル」がイキイキとしている時に「クジラ」に乗っています。
「クジラ」は「慈愛」や「創造」、「人間の目醒めや地球のアセンション(次元上昇)」を意味するものみたいです。
確かに、愛に溢れてワクワクしてるような表情のベルが印象的でした。
いくつかの映画を通して「クジラ」を使用されるのは、それぞれがワクワクと楽しんで創造し、人類の目醒めやアセンション(次元上昇)を我々に促しているのかもしれません。
もしくは、そのような意識がなくても、いろいろなメッセージを受け取っている人なので、自然と描いているんでしょうね。
最後に、映画のタイトルにもある「そばかす」。スピリチュアル的には、「内側の部分こそがあなたの本質」であり、「今の自分を受け入れる」という「ありのままを大事にしよう」というメッセージが込められているそうです。
「すず」は母親の死を受け入れることができず、友達の前で歌うことも封印していました。
一方、「恵(けい)」も母親を亡くし、竜の城では亡くした母親の写真に亀裂が入っていたり、「すず」が助けの手を差し伸べようとしても「助けるという言葉はうんざりだ」と現実を受け入れられずに「すず」との話を打ち切りました。
「ありのままを受け入れる」とは、「否定しない」こと。
「そういう時もあるさ」、「これでいいのだ〜」と”今のあなた”を愛して前に進むことなのかなと思います。
【メッセージ②】 「U」と「アンベイル」という言葉が意味するのもとは?
「U」とは仮想世界であり、「現実世界」よりも現実化が簡単で速い。また、「U」の世界ではその人の隠された能力を無理やり引っ張り出すことができる。
つまり、「U」(仮想世界)では、その人の本質、真実が丸裸になるということ。「あなたは誰?」という漠然とした問いがこの世界では解き明かされます。
こうやって考えると、「U」(仮想世界)とは、YOU:あなた(本当の自分)を映し出す世界とも言えるでしょう。
また、「アンベイル」とは、映画の中ではアバターが消えて現実世界の姿になることです。英語で「unveil」。
「un」は否定語で「veil」は「仮面、見せかけ」という意味なので、「真実」、「本当の自分」といった意味になります。
常に「本当の和多志とは何なのか?」、「やりたいことは何なのか?」と問いたださないといけない。脳であれこれ考えず、シンプルに思ったこと、それこそが「本当の自分」です。
【メッセージ③】 何が「夢」で何が「現実」なのか?
「U」はもう一つの現実。「As」はもう一人のあなた。現実はやり直せない。だが、「U」ならやり直せる。さぁ、もう一人のあなたを生きよう。さぁ、新しい人生を始めよう。さぁ、世界を変えよう。
映画の中で、何度が出てくるセリフです。
「U」のアプリを立ち上げてイヤホンをすると、ボディシェアリング技術(身体情報を読み取り、その情報からアバターが生成される)が採用されます。
これにより、視覚・認知機能・四肢の深部感覚が制御下に入り、身体所有感と身体所有感が「U」の世界に移動します。
これは、「現実」と「U」(仮想世界)の区別がつかないほど、「U」(仮想世界)の世界がリアルに体感するということです。
つまり、「現実世界」と「仮想世界」の対比を通して、「現実世界」と「あの世」について考えさせられています。
これから2030年に向けて、本当にメタバース(仮想現実)の世界がやってきます。
これは都市伝説ではありません。
「内閣府」がホームページで公表していますし、世間で大々的に報道されないだけで確実に進んでいます。
「現実世界」で生きる者と「仮想世界」で生きる者に分かれていくかもしれません。
どのようにこれを活用していくのか、本当のことは分かりません。
このように聞くと、「メタバース」を否定的に捉えたくなるかもしれません。
しかし、”宇宙の計らい”としては、これを機に、『今、生きている「現実世界」こそが、「仮想世界(メタバース)」であることを認識しなさい』というメッセージのような気がします。
つまり、この「現実世界」は夢で、「あの世」が本当の世界。
夢である「現実世界」で魂を磨き、死んで肉体を脱いで魂だけになったら、真実の世界である「あの世」に戻る。「あの世」は「仮想世界」のように「願えば現実化する世界」です。
「現実世界」が「夢」であるならば、「夢」なんだから「思いっきり楽しめばいい」ってことです。
【メッセージ④】 情報化社会が「シンプルさ」と「真実」に目を向けさせる
「U」(仮想世界)で歌い始めた”すず”は、急に活き活きとした学校生活を送り始め、フォローワーは2300万人以上になりました。
しかし、否定的な言葉や誹謗中傷するコメントで溢れかえり頭がパンクします。
そして、「竜の正体」を突き止めようとした時、ネット上では様々な憶測が飛び交い、何が真実か分からなくなっているのです。
情報過多の時代で生きる我々は、何を選択し、何を信じていけばいいか分からなくなります。
これに囚われているのであれば、ただの「まやかし」に引っ掛かっています。
バケツの中の水を綺麗にするには、一度溢れさせて外に出すしかないのと同じで、多すぎる情報で溢れかえり、頭の中が一度パンクした後に、「シンプルさ」を手に入れるのです。
そして、常に”真実”を見る目を養うことで、「何が偽りで何が真実なのか」という心眼を手にすることになります。
【メッセージ⑤】 「光」と「闇」の二元性が意味するものとは?
どんな所にも悪人はいる。人に迷惑をかけて秩序を乱す奴はいる。やりたい放題して世の中をせせら笑っている奴はいる。だからそれに対抗する力が必要なのだ。どんな場所でも正義は必要とされるのだ。悪を叩きのめす力が必要なのだ。それが我々だと。竜、醜き竜。奴こそがここUを維持するためのアンベイルされるべき存在なのだ。
「U」(仮想世界)で暴れる「竜」を取り締まる「ジャスティン」が言った言葉です。
この言葉に対して、ベルは「あなたは正義なんかじゃない。ただ他人を従わせたいだけ」と言い返します。
「光」があれば「闇」がある。
「天国」が存在した瞬間に、「地獄」が存在する。
「光」の存在からしたら「闇」を消したい一心になっていて、いつしか「正義」というものが「押しつけ」や「支配欲」に変わっていきます。
「みんな人には言えない秘密があるんだね。誰にでも秘密はあるよ」とヒロちゃんと鈴の会話がありました。
華やかな野球選手の胸には、大きな手術の傷跡があります。
弟は竜のことを「ヒーロー」と言っていましたが、「U」(仮想世界)では闇を抱えて暴れています。
「すず」も現実世界では暗い一面があり、「U」(仮想世界)では歌を歌って輝いていました。
誰しもが悲しい過去を持っています。一見、華やかそうに見えて裏では辛い思いをしている。
逆も然りで、辛い思いをしている人でも必ずどこかに楽しい一面がある。
片方だけに目を向けたり、自分の世界観を押し付けることは軋轢を生むことになります。
「二元性」を理解し体現することが、世界の平和に繋がるのかもしれません。
【メッセージ⑥】 誰かの「目醒め」や「魂の輝き」が周りの人を変えていく
「ベル」がアンベイルされて本当の姿である「すず」になります。
これまでは、仮面を被って「ベル」として歌っていましたが、初めて「すず」としてみんなの前で歌うことにしました。
この時の「すず」の表情が晴れやかでイキイキとしていたのが印象的でした。
「ありのまま」で「本当の自分」になった時、「すず」の魂が光り輝きだします。
歌を聴いているみんなは、口が開いてあまりの凄さに唖然とし、その後涙を流します。
これは「ベル」の時にはなかったこと。人が自由にイキイキと魂が解放された時、どれほど人は美しいかを物語っています。
「すず」の魂が光り輝いたことを契機に、周りにいる人の魂も輝きだしました。
そして、みんなで歌います。まさに、「愛」と「調和」の世界。心が温まりました。
我々、地球人も目指す世界はこのような世界。それぞれの魂を光り輝かせること。
そのために、生まれてきたんだから。
映画の考察をしていたら、前書いた記事とリンキングしているなと思いました。
いいタイミングです。こちらも見てみてください。
初めて映画の考察をしてみました。
読書と映画鑑賞はよくするので、感じたことをシェアしていきたいと思います。
最後までありがとうございました!
コメント
コメント一覧 (2件)
目次がついて一気に読みやすくなりましたね。
書けば書くだけ力がつきますね。
私もカズさんの活躍を励みに日々精進します。
メッセージ⑤の「だんな場所でも正義は必要とされるのだ。」のところ、どんな場所でも〜に修正お願いします(笑)。
これからもいろいろと調べながら、少しでも読む人の心に届くようにやっていきたいと思います。
時間はかかりますが、やればやるだけ前に進みますね!日々全身。
お互い頑張りましょう。
「世の中の”旦那”はどんな場所でも必要とされたい」という裏メッセージなんですよ!?(笑)